
十二代 藤林 徳扇(茂次郎)
Tokusen Fujibayashi XII [伝説の復興と革新]
「着物は、身に纏う宝石である」
300年以上の歴史を持つ徳扇の伝統を受け継ぎつつ、徳扇の名を世界不動のものとした中興の祖。 彼は、長い歴史の中で途絶えていた幻の染色技法を復元させるだけでなく、現代の科学技術を融合させることで、誰も見たことのない「宝石染め」を確立しました。
純金やプラチナ、ダイヤモンドを糸にするという常識外れの技法は、着物の概念を「衣類」から「芸術品」へと昇華させました。その功績は国内外で高く評価され、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)からの依頼による作品制作や、世界の王室・皇室への献上など、数々の栄誉に輝いています。彼の生涯をかけた情熱は、今も徳扇の精神的支柱として息づいています。
十三代 藤林 徳扇(宏茂)
Tokusen Fujibayashi XIII [技の深化と継承]
「伝統とは、守るものではなく、磨き上げるもの」
偉大なる先代、十二代徳扇の元で研鑽を積み、その高度な技法を完璧に受け継いだ十三代。 彼の役割は、先代が確立した「五大宝石」や「プラチナ糸」という極めて扱いの難しい素材を、より洗練された意匠へと落とし込むことにありました。
琳派特有の大胆な構図を現代の女性が纏いやすい色彩感覚で再構築。重厚感がありながらもしなやかな着心地を追求し、技術の精度を極限まで高めました。 「徳扇の作品は、裏側まで美しい」と言われる所以は、十三代の緻密な美意識と、一切の妥協を許さない職人魂によるものです。静謐でありながら圧倒的な存在感を放つその作風は、通の着物ファンを魅了し続けています。

十四代 藤林 徳扇(知花)
Tokusen Fujibayashi XIV [新時代への飛躍]
「洛北から世界へ。琳派を現代のライフスタイルに」
デジタル化が進み、グローバル化が加速する21世紀において、徳扇の美を新たなステージへと導く若き当主。 歴代が築き上げた伝統技法を敬愛しつつも、その感性は常に未来を向いています。
着物という枠にとらわれず、インテリア、アートピース、ファッション小物など、徳扇の「素材」と「意匠」を活かした新たなプロダクト開発にも着手。 琳派が本来持っている「デザインの先進性」に光を当て、若い世代や海外の富裕層に向けて、日本の美意識を発信しています。 伝統を守るためにこそ、変わり続ける。その挑戦的な姿勢は、初代から続く徳扇の革新の精神そのものです。